沼津ぐるめ街道の成り立ち
東名沼津インターを降りるとすぐに目に飛び込んでくるのは、
堂々と、かつ穏やかにそびえたつ富士山。
私たち日本人にとって、「やっぱり富士山は偉大な存在だなぁ」と思う瞬間。
そんな偉大な富士山と共に、お出迎えしてくれるのがこのロードサイド商店街『沼津ぐるめ街道』。
昭和43年、東名高速道路開通に伴いインターチェンジへのアクセス道路として作られた道路だ。
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開通直後は「取り付け道路」と呼ばれるだけの単なる道路だった。
その後、伊豆の魅力を求めに訪れる観光客の玄関口として、笑顔あふれる場所になったらとの思いから個性豊かな飲食店、物販店が道路の両側に建ち並ぶようになっていった。
いつしか地元では、その愛称を知らない人はいないほどのグルメの聖地として「ぐるめ街道」の愛称で呼ばれるようになった。
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時代と共に道路網の拡充、地域の求められる街に進化を続け、静岡県東部地域への経済的・産業的玄関口として、また伊豆半島への玄関口としても大きな役割を担っている。
東名・新東名・伊豆縦貫道・国道1号246号。
ここまで主要な道路に簡単にアクセスできる交通の便の良さもこの沼津ぐるめ街道の魅力の一つ。
四季折々の富士山がみえる道
一直線に全長およそ3㎞にも及ぶ沼津ぐるめ街道は、そのどこからでも富士山が真っ正面に見ることができるのも魅力のひとつ。
朝から各所で車やバイクを止めて、写真を撮る姿が見られるのは、その雄大な姿を思わず記録に残したくなってしまうからに違いない。自分の好きな富士山スポットを見つけるのも沼津ぐるめ街道を訪れる楽しみのひとつかもしれない。
沼津ぐるめ街道の真ん中より南に位置する岡一色地区にある歩道橋は全国でも珍しいX型。
歩道橋の真ん中には、富士山ビューを望む一スポットとして、まさかのベンチが設置されている。観光客だけでなく、地元民や子供たちが腰をおろし、雄大な富士山を望みながら、思い思いの時間を過ごしている。
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日本一の山、富士山にいつでも見守られていると感じられる場所がそこにある。
お客様に必要とされるということ
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沼津ぐるめ街道の入口に店を構える「干物屋ふなと」
昭和47年から干物製造・海産物を販売、53年の歴史を持つ。
地元沼津を愛し、誰よりもこの沼津ぐるめ街道を愛する「干物屋ふなと」代表取締役の渡邉一浩さん。今は、沼津ぐるめ街道振興会の会長も務める。
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干物の真空パック商品を沼津で一番最初に取り入れた渡邉さん。伝統を守るという職人気質な一面がありつつ、新しいものを軽やかに取り入れる柔軟な人柄を併せ持つ。そんな渡邉さんが大切にするのは店舗での対面販売。「ひとりひとりのお客様にあったものを提供し、いかに美味しく調理し、美味しく召し上がっていただくところまで寄り添えるか。」そこを一人ひとりとのコミュニケーションを通じて模索していく。流れゆく時代のニーズでそれは日々変化していく。ただモノを売るビジネスとは違い、お客様それぞれに必要とされる「商い」をしていくために、自らも進化していくことを諦めない姿勢を生涯大切にしている。
エリアで出来る価値
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「沼津ぐるめ街道」のマニフェストは「ぐるっとめぐるワクワクする街道」という思いを込めているのだと渡邊さんは話してくれる。
沼津ぐるめ街道は、古くから続く老舗から大手企業の店舗・事業所まで、今では飲食店だけでなく様々な業種の店舗が連ねている。これは、他の商店街にはない特徴である。「交わることで予想できないワクワクが生まれるかもしれない」と感じずにはいられない。
「空き店舗がでてもすぐに新しいお店が入ってくれるのが嬉しい。」人の流れが常にあり、時代がそこに流れている証拠である。
その中で核となるのが『沼津ぐるめ街道振興会』である。現在、15店舗・事業所が所属して活動している。
「この場所を訪れる人に、気持ちよく過ごしてもらいたい。」そんな思いを所属する会員たちが共有し、街道の整備や安全対策などを取り仕切り、ボランティアでの街道清掃まで行っている。
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この土地を盛り上げる一員として何が出来るか、どんな連携をとっていったらワクワクするような街道が作れるか。伝統を守りながら新しい時代に合わせて、次のフェーズへと進化させていく。まさに、沼津の干物作りがこれまで大切にしてきた思いそのものを、この「沼津ぐるめ街道」はしっかりと受け継いで、今日も私たちを出迎えてくれる。
沼津ぐるめ街道を支える 「沼津ぐるめ街道振興会」
沼津ぐるめ街道は、これからもずっと、伊豆半島への玄関口として、「いらっしゃい」「おかえり」「また来てね」「気をつけて」と、言い続けてくれるだろう。
ぜひ、沼津に来た際には、立ち寄っていただきたい魅力的なエリアである。
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この記事を書いた人
杉浦 きみこ
Sugiura Kimiko
スポーツ大好き!沼津のスポーツ情報を集めた、ローカルwebメディアぬまスポを運営しています。大阪出身、沼津に来て十数年。沼津にどっぷりはまってます。