【体験レポート】駿河湾の深海の魅力を見て食べて遊べる!「沼津港 港八十三番地」に行って来ました

日本一の深海湾である駿河湾に面した沼津港は、沼津を代表する観光スポット。中でも「港八十三番地」は、「沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム」を中心に、実際の深海生物に出会い、アトラクションや深海グルメを楽しめる飲食店が集結した“深海テーマパーク”として人気です。地元の方も観光客もとことん楽しませてくれる、深海愛と地元愛がぎっしり詰まったこのエリアを沼津生まれ沼津育ちの記者がご紹介します!

一日楽しめる深海のテーマパーク「沼津港 八十三番地」

沼津港の目の前に広がる駿河湾は、2500mもの深さがある日本一の深海湾。浅瀬から深海までさまざまな深さに生き物が生息するため、世界有数の豊かな海でもあります。この駿河湾の豊かな深海を体感できる場所として生まれたのが「沼津港 八十三番地」です。「沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム」を中心に、2つのアトラクション、11の飲食店・ショップが集まり、その全てが“深海”をテーマにしているのです。

沼津港のエリアに入ってすぐ。大きな門と提灯が目印

エンターテイメント満載!
どんどん深海が好きになる「沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム」

まずはなんといっても「沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム」へ。2011年の開館以来、世界でも唯一の深海専門水族館として、年間40万人が訪れる沼津を代表する人気観光スポットです。なぜ深海水族館が珍しいのか?その理由は深海生物の飼育の難しさ。環境が大きく異なる深海の生物はとてもデリケートな上に未知の領域が多く、生きたままの展示が非常に難しいのです。駿河湾は海岸からわずか数kmで深海に達するため、漁場まで近いこと、そして駿河湾で日々深海魚を扱う沼津の漁師さんたちの協力もあり、100種類以上の深海生物が展示されています。さらには深海生物のスター“生きる化石”シーラカンスの冷凍標本と剥製も!

シーラカンスやタカアシガニのモニュメントが出迎えてくれるエントランス。
これから深海に潜るようなワクワク感

駿河湾の水深200mに棲む生物を集めた「駿河湾大水槽」。
海底遺跡をイメージした背景が映えます。

観光地にある水族館らしく、水槽内にはフォトスポットも。SNSにアップしたくなる楽しい演出が満載です。

浅瀬と深海の生き物の比較。
形はもちろん、深海生物に赤い体色をしたものが多いのは暗闇では赤が保護色になるからなどの学びもたくさん。展示している生き物は沼津の漁師さんたちが駿河湾で捕獲したものもたくさんいるそう。漁師さんが誇らしげに家族に解説する光景もあるそうです。

運が良ければ希少な深海生物に出会えることも。
可愛らしい姿でブームとなっているメンダコは沼津深海水族館が火付け役。
当日はラッキーなことに見ることができました。非常にデリケートなので撮影は厳禁。

フィリピンからやって来た深海魚「ヒカリキンメダイ」の群れが暗闇で発光する様子が見られる部屋。流れ星の群れのような美しさです。

もう一つの目玉、「シーラカンスミュージアム」へ。
シーラカンスは3億5000万年前から姿を変えずに生き続けている“生きる化石”と呼ばれる深海魚。
ここでは冷凍標本2体と剥製が3体展示されています。
シーラカンスは希少生物を保護する「ワシントン条約」により厳しく管理されているため、
展示した標本が見られるのは日本でここだけです。

-20℃で管理された2体のシーラカンスの冷凍標本。
非常に高性能な冷凍装置のため、凍っているとは思えない美しさ。
周囲には氷の演出がされています。

体の構造がわかるコーナーも。なんとシーラカンスには背骨がないそうです。
その他、捕獲調査時に使用した木製のカヤックや捕獲時の映像など、シーラカンスにまつわる資料がたくさん。

その他、特殊な薬品で魚の身を透明にし、硬い骨を赤く、軟骨を青く染める「透明骨格標本」や、
駿河湾の深海に生息するメガマウスザメの5mの巨大なはく製など、生物標本の最先端を知ることができる展示も。
おかげでメンダコの裏側など、めったに見られない場所もじっくり観察できます。
深海好き、魚好きにとっては一日いても飽きないかもしれません。


<施設情報>
沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム
営業時間:10:00〜18:00(繁忙期は変更あり)
休館日:年中無休
入館料:大人1800円(高校生以上)、子ども900円(小中学生)、幼児400円(4才以上)

探査ポッドから深海生物を狙い撃て!「ディープシーワールド」

「沼津港深海水族館」で深海の生き物を満喫したら、隣接するアトラクション「ディープシーワールド」へ。ここでは探査ポッドに乗って深海に潜り、レーザー銃で深海生物を捕獲調査する深海シューティングアトラクションです。さっき見てきたばかりの深海生物を、今度はリアルな海底セットと共にさらに近くで体感できます。これは楽しい!

2人用探査ポッドに乗って深海へ。暗闇の中で現れる深海生物をレーザー銃で狙おう。
精巧なセットと迫力の音響も見所。かなり本格的なアトラクションです。

深海生物によってゲットできるポイントが変動するので、ポイント一覧表で事前に予習をしておくのがおすすめ。出口では、シューティング結果が載った深海カードがその場でもらえて嬉しい。


<施設情報>

沼津港ディープシーワールド 深海王国
営業時間:平日10:30~17:00
     土日10:00〜17:30
料金:1回800円(当日のみ有効の10回券6000円もあり)
※沼津港深海水族館の当日チケット提示で100円割引

4D要素も搭載した驚異の潜水体験!
「VR深海アドベンチャー ディープクルーズ」

「沼津港深海水族館」の目の前に位置する海底神殿風の青い建物は、国内最高峰のVR技術で駿河湾の深海クルーズが楽しめる「VR深海アドベンチャー ディープクルーズ」です。

360°のVR専用ゴーグルを装着してシートに座れば、そこは探査ポッドの操縦席。
海底基地を出発して駿河湾の深海探索がスタート!まるで海中を飛行しているような浮遊感!
深海生物たちが真横から追い抜いて行ったり、真上を泳いでいたり、思わず歓声を上げてしまう圧倒的なリアリティです。
探査の途中からは海底遺跡や時空を超えた神秘的な体験も。ぜひ実際に体験していただきたいところ。所要10分とは思えない濃密な深海体験に大満足。ぜひおすすめしたいスポットです。

探査艇のシートとなる客席。深海への期待が高まります

専用の360°ゴーグルを装着していよいよ深海探査へ!VRに慣れている方でも驚きのクオリティです。水族館に行ってからここを体験することをお勧めします。さっきまで水槽越しに見ていた深海魚たちが、自由に泳ぐ深海を探検していく体験は、ここでしかできない体験といえるでしょう。

<施設情報>
VR深海アドベンチャー ディープクルーズ
営業時間:平日10:00〜17:00
            土日10:00〜17:30
料金:1回1800円
※沼津港深海水族館の当日チケット提示で100円割引

深海魚を自分で焼いて楽しめる「浜焼きしんちゃん」

駿河湾の深海をたっぷり楽しんでお腹が空いたら、駿河湾で獲れた深海魚を美味しくいただける「浜焼きしんちゃん」へ。こちらは新鮮な魚介を自分で網の上で焼いていただけます。
ランチに限らず、夜が早い港町としては珍しく21時前後(曜日により異なる)まで営業しているのもすごく便利。

当日いただいたのはランチメニュー「贅沢浜焼き定食」1738円(税込)。
・浜焼き5品
(深海エビ・ホタテ・はまぐり・めひかり・カキ・サーモンハラス)
・味噌汁(あら汁orあおさ汁)
・ご飯
・漬物
・小付
抜群の鮮度でリーズナブルな値段で、海鮮が楽しめるのも沼津港ならでは。
焼き方はスタッフの方が丁寧に教えてくれます。

人気メニュー「沼津産コシオリエビの素揚げ(3尾)」759円(税込)。カリカリに揚げられた香ばしいエビ。丸ごと全部食べられます。美味しい!
メニューが豊富で、セットメニューも単品メニューぜひお楽しみください。

<施設情報>
浜焼きしんちゃん
営業時間:平日11:30〜21:00(20:15L.O)
     土曜11:00〜21:30(20:45L.O)
     日曜11:00〜21:00(20:15L.O)
定休日:火曜

富士山を望むテラスで本格派コーヒーを「ロコ マリーノコーヒー」

海鮮でお腹を満たしたら、イタリア風の建築が並ぶ「PORT83」エリアへ。「ロコマリーノコーヒー」は、バリスタ日本チャンピオンの石谷貴之氏が監修したカフェです。厳選したコーヒー豆はもちろん、石谷氏の指導のもとトレーニングを積んだバリスタの皆さんが淹れてくれるコーヒーをいただけます。

おすすめは2Fのテラス席。晴れていれば富士山を望むことができます。
日本一高い富士山と、日本一深い駿河湾を感じられる特等席。

こちらでぜひ食べたいのがイタリアンマエストロ石崎幸雄氏監修の「至高のパンナコッタ」1個500円。
厳選した生クリーム、卵白、砂糖を使ったパンナコッタはゼラチンを使わずに固めたもの。想像していたパンナコッタとは全然違うなめらかな口当たりとクリームの濃厚さ。コーヒーにぴったり。

<施設情報>
LOCO MARINO Coffee(ロコマリーノコーヒー)
営業時間:平日11:00〜17:00(16:30L.O)
     土日10:30〜17:30(17:00L.O)
定休日:水・木曜

深海にちなんだ美しくて美味しいパンがいっぱい「ラ トレッタ」

「ロコマリーノコーヒー」の向かいにある「ラ トレッタ」は、イタリアの最高級小麦を使用して約30種のパンを焼き上げるパン屋さん。もちろん深海をテーマにしたパンもあり深海魚のフライを使ったサンドやバゲットなど、つい食べたくなるパンがたくさん。

店内には深海魚を使ったパンなど約30種が並ぶ。
買ったパンは隣の「ロコマリーノコーヒー」にてイートインも可能です(ワンドリンク注文が必要)

深海水族館でも人気者メンダコの形をしたメンダコデニッシュ。
プレーン、イチゴ、チョコの3種各650円。おみやげにもなる人気商品。

<施設情報>
Bakery La Torretta (ラ トレッタ)
営業時間:平日11:00〜17:00
     土日祝10:30〜17:00
定休日:水曜

深海のように深い地元愛が詰まった場所

一日過ごすと、沼津港の目の前に広がる駿河湾の見え方がガラッと変わる「港八十三番地」。

まさに沼津を代表する“深海のテーマーパーク”でした。

今回の取材で案内してくださったのは「沼津港深海水族館 シーラカンスミュージアム」に始まりこのエリアの開発を手がけた佐政水産株式会社の佐藤慎一郎社長でした。そのお話の端々に溢れていたのが地元愛。かつて市場関係者の場所だった沼津港が、今では沼津市民や全国から訪れる観光客で賑わう大人気スポットになりました。

“地元の人に愛されてこそ観光地として続いていける”
“地元の人たちが自慢できる街じゃなければ”
と語る佐藤さんの言葉に、沼津市民として地元が誇らしい気持ちになったのでした。

地元の人にも愛されるお店

「港八十三番地」のコンセプトがとても素敵だったので一部をご紹介させていただきます。

地元の皆様にとって、決して特別な場所ではなく、暮らしに溶け込んだ日常の一部で
ありたい。だから特別な名前ではなく、港八十三番地という住所を名前にしました。
「また来たよ」
そんな気分で、気軽にお越しいただけるように。
一方で、こころ温まる交流の場でもありたいと思います。
みんなが集い、語り、笑い、文化と思い出が積み重なっていく町になりたい。
そうして、ちょっと自慢したくなる沼津に、ふるさとに、なっていけたら嬉しい。
港八十三番地の想いです。

今回取材させていたただき、地元に暮らしていながらも知らなかった沼津の魅力をたくさん感じました。今回の取材ではすべて体験できませんでしたが、港八十三番地に並ぶ店舗はこちら。

「また来たよ」
そう言ってまた訪れたいと思います。

この記事を書いた人


江本 典隆
Emoto Noritaka

沼津生まれ沼津育ち。東京の大学を卒業後、旅行系出版社で勤務し、各種ガイドブックの企画・編集を担当。2023年に沼津港にも近い沼津市下本町で、新刊書店「リバーブックス」を開業。

ichigo-chan

いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。いちごが大好きです。